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画・松本 令子 
 
 斎藤 貢

 アレクシェービッチさんによれば、「被災地はたくさんの言葉を発しなければならない」と言う。それは、〈2017 言い続けよう〉という日々の新聞のメッセージ文脈に重なる。疑問や問いの言葉を発し続けて、事実を自らの目と耳でしっかりと検証することが、原子力災害の風化を抑止するからだろう。
 さて、毎月第1水曜日の「詩を読む集い」では、金子光晴の詩と人生について考えた。
 〈耳よ。おぬしは聴くべし。/洗面器のなかの/音のさびしさを。〉(「洗面 器」)
 洗面器の哀しき響きは、ひとの悲哀、存在のかなしみの音にほかならない。金盥の洗面 器は、不浄とそうでないものを分け隔てしない。爪哇(じやわ)人たちはその器にカレー汁をなみなみとたたへ、広東の女たちは洗面 器でしゃぼりしゃぼりとさびしい音を立てて尿をする。身体は喩えるなら、長い一本の管。食物も排泄物も管の両端で繋がっている。浄も不浄も等しく呑み込んでしまう金盥の〈音のさびしさ〉を、ひとは忘れてはならないのだろう。
 〈そのいきの臭えこと。〉で始まる「おっとせい」や「ニッパ椰子の唄」、「女たちのエレジー」。読売文学賞を受賞した詩集『人間の悲劇』から、「もう一篇の詩」「くらげの唄」などの詩篇を取り上げて読んだ。興味深いのは、70歳過ぎの晩年になって刊行した対照的な詩集『若葉のうた』(1967年刊)と、『愛情』(1968年刊)だろうか。前者は孫娘への愛情に満ち溢れ、後者は性愛の官能的な詩篇といってもよい。光晴の欲望と執着の深さには驚くばかりだ。そして、見事なのは、『マレー蘭印紀行』。金子光晴の皮膚感覚が見事な散文として結晶化した紀行文で、艶やかな名文である。

 (「歴程」同人)



 「日々の新聞」が15年目を迎えたことに対して、多くの方から励ましやお祝いの言葉をいただきました。感謝です。
 創刊は22003年3月15日。本当は3月1日だったのですが、新聞が完成せずに2週間遅れました。震災のときは印刷と発送ができずに発行がずれ、8ページの発行が8回続きました。でもなんとか欠番なしで乗り切ることができました。
 創刊の原点は、タブーだらけのメディアに一石を投じることでした。いまの時代、さらに気を引き締める必要があるようです。

(編集人 安竜昌弘)




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