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画・松本 令子 
 
 斎藤 貢

 2015年にノーベル文学賞を受賞したベラルーシ在住の作家、スベトラーナ・アレクシェービッチ女史。昨年の11月に来日して、原発事故の被災地にも足を運んだ。わたしは、NHKの報道クルーと一緒に、小高駅でアレクシェービッチさんを迎えた。*
 小高は、原町市と合併する前は相馬郡小高町。中世には相馬藩の居城があり、明治以降は絹織物の産地として栄えた。出身者には現憲法の礎を作った憲法学者、鈴木安蔵。また、埴谷雄高の父祖は小高の般 若家であり、同じように島尾家、島尾敏雄の墓も大井にある。
  だが、震災で小高は震度6弱に揺れ、沿岸部も津波の大きな被害を受けた。20km圏内の被災地は原発事故によって避難を余儀なくされ、翌月には〈警戒区域〉となった。昨年の7月に避難指示が解除されたが、戻る人は多くない。震災前にいた12000人余りの住民で戻ったのは900人余り。小・中学校は、鹿島の仮設で学校を再開させたが、震災前に約700人いた児童数はわずか90人余りだ。中学校も約400人いた生徒が約90人に減少してしまった。まもなく、震災から丸6年になるが、住民の不安はまだ大きい。
 震災を紡ぐ「日々の新聞」の記事や言葉には、いのちへの肌触りが感じられる。原発事故とはいったい何か。そこからわたしたちは何を学んだのか。常にそれは問いかえされる厳かな肌の痛みのようなものだ。小高の海岸に立つと、あの日から松林は消え、高い堤防が築かれている。アレクシェービッチさんは黙って海を見つめていた。その視線の先に、福島第一原発がある。

 *BS1スペシャル『アレクシエービッチの旅路/前編「チェルノブイリの祈り」・後編「フクシマ未来の物語」』(放送:2017年2月19日)

 (「歴程」同人)



 スベトラーナ・アレクシェービッチさんはベラルーシのジャーナリストです。ルカシェンコ独裁政権の言論統制が厳しいなかで、人々の声を集めて本質をえぐり出しています。「はっきりしていることがある。国家は人間の命に対して完全な責任を負わないということ。だからこそ、新しい知や哲学で抵抗の文化を創る必要がある」。タブーを持たない人間らしい女性ジャーナリストの言葉が、強く心に響きます。

(編集人 安竜昌弘)



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