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 長年、開業医をしています。昔は日曜日に魚釣りに出掛けたりすると「日曜日に医者が休むなんてなんだ。病気に休みはない」と、怒られたものです。いまの開業医は一般 に診療所と住まいが別で、夜や休みに患者さんを診ることはほとんどありません。それに平地区をみてもわかるように、診療所は都市部、病院の周りに集中しています。つまり、医師の偏在化が進んでいます。
 いわきの医療で困っているのは救急医療です。夜間診療所を訪れる患者の過半数は発熱した子どもです。かかりつけ医はいるけれど、夜間は診てくれないからです。
 病院と診療所は互いに機能も、役割も違います。高額医療機器の共同利用などが言われていたのですが、いまの開業医は病院と同じような医療設備を診療所に整え、厳しい官僚統制の中で、診療報酬という餌に誘導されて、医の倫理よりは収益を第一に考えています。
 医者になれば、高収入や社会的地位が得られるという社会通念に支えられて進学し、高い専門性を持った医学を修得していく医学教育の問題もあります。そういう教育を受けた医者が開業医になると、患者を中心にというより収益を第一に考え、優雅な、余裕のある生活を求めるのです。
 医学教育は人間を診るということと、自分より患者、地域のためにということです。開業医の本来のあり方を考えていかなければなりません。
 病診連携と言われています。病院は高度機器を備え、専門性の高い医療、診療所は人間的な関係のなかで生活指導、セルフケアを充実させます。互いの役割を尊重して手を携え、患者を両サイドから診療するのです。
 例えばトラブルがつきもので、訴訟問題の多いお産。いまお産のできる産婦人科の診療所が少なくなっていますが、後方支援をしてくれる病院があれば、安心して診療所もお産に対応できます。また病院に紹介した患者の治療がある程度終わったら、そのあとの治療を開業医が引き継げれば早期退院でき、頑張っている病院の医者の労苦も報われますし、医療費の節減につながります。
 診・診連携がうまくできれば、「きょうの夜は私が診ます」などと小児科医が結託して、休日や夜間の診療をすることもできます。開業医が急患を診たり、往診したり、地域でのみとりなど、昔の開業医がしていたことを何人かで組んですれば、地域の医療は変わります。人間は必ずだれでも死にます。住みなれた家で穏やかに死を迎えられ、末期医療のあり方にも関わります。
 医療は大きな病院だけでは成り立ちません。開業医がよくなれば、医療全体がよくなります。

 このままではいけない。地域医療を確立するために、数名の開業医が発起人となって、かしま病院を開設しました。現在、高度専門医療と在宅医療、かしま荘をはじめ老人介護の充実を開業医と一緒になって展開しています。
 開業医のあり方、病診連携のほかに、医療を考える時にもう一つ大事なのは市民の意識です。いわきの医療のあり方を開業医や公立病院にきちっと要求していくべきです。もうすぐ任期を終える小泉総理の財政改革の中で医療を含む社会保障改革は、人間生活の大きな不安で、深刻な問題です。
 はじめに「予算ありき」で、医療の世界でも経済優先の競争原理が浸透してきています。しかし、開業医を大多数とする医師集団である医師会は「会員は医療をもって、地域住民の福利厚生に貢献することを目的」としています。開業医が医師会の会員意識を持てば、地域医療も変わるはずです。

 かつて公害を生命の問題として、市民運動につなげました。生病老死はだれでも避けることはできません。わたしたちはどこで、どんな風に最後の時を迎えるのか、温かい心の医療であってほしいのです。
 市民も次々と医療機関をはしごするようなことはしないで、医療のあり方、膨れあがる医療費、開業医(かかりつけ医)のあり方をどんどん要求していくことが必要ではないでしょうか。


(投稿)








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