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 市立常磐病院の民間譲渡に伴い、4月から市立総合磐城共立病院に開設される予定だったリエゾン医療に特化した精神科の医師がようやく見つかり、8月から診療を始めている。赴任した池本桂子さんに精神科診療、今後について聞いた。



 池本さんは京都府で生まれ、兵庫県で育った。代々医者の家系で、滋賀医科大学で学んだ。精神科を選んだのは心理学を勉強した母の影響もあったかもしれない。行きたかった神経内科がなかったため、精神科に進んだ。
 講座の教授は、アメリカの精神医学法を訳した高橋三郎さん。教育熱心な、研究が第1の教授で、助教授陣も研究に打ち込み、池本さんも大学院に進み、フランスに1年半留学し、帰国後は解剖学に籍を置いた。気分や意欲にかかわる物質の中枢神経での生合成などは人と動物で違い、精神疾患で何が脳で起きているかを知るためには、脳そのものの関連物質を調べてみる必要があるからだった。
 その後、臨床研究部を持つ花巻の病院で治療法を研究。6年前に福島県立医科大学に移り、西郷村の県太陽の国病院で診療しながら、県立医大の系統的ブレインバンクで研究を続けた。ブレインバンクとは研究のために献体された脳の組織を集め、病態の解明と治療法の開発を目的とした研究に提供するシステム。県立医科大では1997年、日本で初めての統合失調症を中心とした精神疾患の系統的ブレインバンクをつくった。
 そのブレインバンクに協力してくれたことのある共立病院で、精神科の医師がいなくて困っているという。いわき市は精神科病棟に余裕のある地域だが、三次救急を持つ総合病院の精神科の必要性は理解できた。状況的にだれかが手伝わなければならない。池本さんは考えた末、共立病院に来ることを決めた。
 共立病院での役割は大きく2つある。自殺未遂で救急車で運ばれてきた患者の診療と、リエゾン医療。リエゾン医療はほかの診療科の医師と精神科の医師が協力して行う医療で、取り入れる病院が増えてきている。
 もともと共立病院には心療内科があり、精神科の領域も担ってきた。しかし心療内科では強力な精神安定剤などは使わず、そういう薬を処方している患者の入院、手術は精神科の分野になる。自殺未遂の患者のカウンセリングもそうで、その後、自殺を繰り返す割合がカウンセリングの有無で大きく変わる。それに、がんの緩和ケアにも携わる。
 8月は30人、9月には83人の診療をし、徐々に共立病院の精神科が認知され始めている。ある日、集中治療室に高齢の男性が運ばれた。男性は所持金がなくなったら死ぬ 覚悟で、県外からバスを乗り継いでいわきまで来て、数年前に奥さんが亡くなった共立病院で自殺をはかった。幸い、いのちは取り留め、地元で治療を受けられるようになった。自殺は配偶者を亡くした高齢の男性に多い。
 池本さんが共立病院に来て感じるのは、患者への細やかな心遣いの足りなさ。幻聴や錯覚がみられる意識混濁の患者の手足を当たり前のように縛っているのには驚いた。縛ることが却って、暴れる原因にもなる。それに「精神科」という名称。県立医大では身心医療科と変えている。共立病院の場合、常磐病院と同じにリエゾン科がいいかもしれない。
 現実的な問題として、精神科の入院病棟は財政的に難しい。しかし医師をあと1人は増やして、外来はあった方がいい。病理部門と協力して研究ができる環境なら、精神科の医師は集まるかもしれない。池本さん自身、もっと身心疾患の研究をしたいという。







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