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Katsuhiko hibino in Iwaki 2001
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 明後日朝顔の種が色々な所へ旅をして、記憶を運び、想い出を運んでくれる。そして人と人、土地と土地を繋いでくれる。それはまるで乗り物のようだ、と言い始めたのは2007年の金沢でのことであった。それで種の形をした船を作り始めた。まずは金沢で3隻、横浜で2隻、鹿児島で2隻の計7隻が現在ある。これらはすべて海に浮かべる仕様になっているが、先日100パーセント段ボール製の種の形をした船を制作した。場所は埼玉 県北本市という東京の郊外の町である。
 きっかけはここで「日本文化デザイン会議アートプロジェクトin北本市」という行事があり、その仕切りの中で、2年前からここでも行ってきている明後日朝顔プロジェクトをより盛り上げようということであった。5日間で100人くらいの市民によって種の形をした船が完成した。そして展示空間として北本市ならではの、郊外ならではの雑木林に設営した。
 周りの木々を頼りに船を中ずりにして、プカプカ浮かんでいるようにした。秋晴れの天気も味方して、大きな種がこれから旅に出る悠々とした風景がここに現れた。市民たちが丁度この時期に収穫した朝顔の種を雑木林に持って来て、種は船に積み込んで、また来年につなげていく乗り物である。
 この雑木林は市民団体の守る会の方々が手入れをしている林で、炊火をしたり、炊きだししたり、話し合いが行われたり、お茶会があったりと、どんなホールよりもすばらしい空間であった。北本市はこのような雑木林をいくつか管理しており、駅前の広場にも雑木林を育てていく計画まで起こっている。都市近郊の抱えている問題はいくつかあるが、それを逆に利用して、その町らしさを出していこうという姿勢は全国の郊外の町の参考となることであろう。
 会議のあと、地元の方々との親睦会では、今まで北本市に対して、何もないところだと言い放っていた若者たちも、雑木林がある!というようになっていた。この場所からきっとこの町の動きが始まるに違いない。
(アーティスト)




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