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Katsuhiko hibino in Iwaki 2001
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 7月という月は、油断ならない月のように思える。この月をいかに乗りこなすかが1年の中で重要になってくる。
 夏という言葉が持つ魅力は、義務教育時代にすべての日本国民は刷り込まれている。「夏休み!」というあの40日間ほどの長期のフリータイムがあったからである。私は夏休みが始まると、この休日は永遠に続くのではと思っていた。明日何が起こるかわからない子供にしてみれば、1か月以上の休みなどというものは、もうとんでもなく長い時間、限りない可能性に感じられたのである。このトラウマが大人になっても、ついつい7月になると、夏モードのスイッチを入れたがる。
 梅雨の季節が続いていても、7月という7の数字を見ると、「もう夏はすぐそこまでやってきた! 素敵な時間がやってくる!」…しかしもはやあの夏休みは戻ってはこない。
 そんなことはわかっている、でも、そんな思い出の夏を実感できれば、大人はそれが1日でも、40日もなくても、実感したことにしようという読み替えができるのである。理由は、それが大人だから。(だったら、まったくなくても我慢するのが大人でしょ!…いえいえ、それは大人にとってはよくありません。前にしか進まない時間を、時々戻すことが、前に進むことに繋がるのです。という大人のへりくつ)。
 夏というのは前半の7月が勝負である。この7月に夏を体験できないと、中盤・後半の8月に持ち込み、セミの鳴き声に時間の感覚がかき乱され、夏を実感するということでなく、夏のど真ん中に放り込まれてしまう。そうなってしまうと、夏の中で、蟻地獄のようにもがき始め、余分な体力を使い、空回りし秋のせまりくる足音にびくつきながら夏をすごすはめになる。
 ですから夏は先取りしたほうがよい。7月に夏を体験してしまえば、あとはしっかり落ち着いて時間を過ごせる。待ち続ける夏は時を重ねそこなう。
 夏休みにも終わりがあると知った子供は、すこし大人になる。私もそのたびに1つずつ大人になっていった。
 私にはそれを実感せねばならない運命があった。なぜならば私の誕生日は8月31日なのです。
(アーティスト)




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