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茨城県で1999年から行っている「HIBINO
HOSPITAL」という地域とアートをつなげるプログラムが、今月で70回目を迎えます。先月は第69回目(最初の頃は毎月開催していたが、最近は年に2回のペース)でした。毎回テーマはいろいろありまして、これまでのタイトルをいくつか見てみると「濡れないプール」「雨天決行写
生大会」「ザル人間」「一人花見」「偶像禁止」などなど、なんかよくわからないけれど面
白そうな感じのワークショップを行ってきています。69回目のタイトルは「つの会議」です。節分が近かったので、鬼について考えるのをきっかけに始めました。以下ワークショップでの始まりのくだり…。
「みなさんこんにちは、今日は1月28日、今朝のニュースで知ったのですが、中国では春節、つまり旧正月なんですね。どうして1月1日ではないのかというと、今私たちの使っているカレンダーは太陽暦で1年が365日、地球が太陽の周りを1周するのを1年にしていますが、旧暦は太陰暦で月の満ち欠けを基準にしていて、1年の基準が約354日になり、だからずれるのですね。
そして日本ではもうすぐ立春です。2月3日は節分ですね。「鬼は外、福は内!」の掛け声で鬼に向かって豆まきをします。鬼は豆をぶつけられるんですね。鬼にはつのがありますよね。つのが生えると鬼になるんですね。どうしてつのが生えたのでしょうか? そんなに怒るとつのが生えてくるぞ! なんて言われたことがありませんか? そうですね、怒りがたまるとつのが生えるんですね。ということは、鬼は何かに怒っているということなんですかね。鬼は私たちの何かに怒っているノともいえるのですかね。
などと、ホワイトボードに地球と太陽の絵とか、つのの絵とかを書いたり、参加者に問いかけたりしながら、みんなの顔色を見ながら、つの会議を開催する展開に進めていきました。このあとは、参加者が自分ごととしてつのを引き受けていく流れを作っていきます。
「みなさんも怒ったことはありますよね。最近怒ったこと、これまでの中で1番怒ったことをちょっと思い出してみましょう。そしてその怒りでつのを自分の頭に生やしてみましょう。さらに、つのをはやしたものが集まって、つの会議を行い、たがいのつのについて話し合いましょう」
「つの会議」という耳慣れないけれど、その会議の様子の風景が皆の頭の中に浮かんで来れば、自ずと創作活動に身が入ります。
用意しておいた、厚紙・画用紙・ひも・ゴム・毛糸、などを素材にして、つのつくりが始まりました。参加者は45名で4歳から70歳代まで、それぞれの「怒り」がつのの形を生み出していきました。
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(アーティスト) |
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