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ブラジルW杯
 今回のブラジルワールドカップにおける日本は、前回と違っていたのか。というより毎回違う。というより、総じて言うほど、まだ私たちには経験がないともいえる。5回目の出場も5回連続出場なので、まだワールドカップ本大会に初めて出場してから20年しか経っていない。だから、ワールドカップの全体像がよくわかっていないのかもしれない。
 私たちに今ない部分は、ワールドカップに出場した経験があるけれども、本大会に出られない年を経て出場をする、という経験。つまり8年ぶりの出場という「3歩進んで2歩下がる、そして3歩進む」経験。本大会でのベスト8も大切な経験ではあるが、上ばかりに枝葉を伸ばしていくばかりではなく、しっかりと大地に根を張る時間も大切である。現役で大学に合格もいいけれど、浪人を経験して大学に進む方が人間として大きくなれる、なんていう話とちょいと似ているかも。だから、今年のブラジル大会の経験も無駄 ではない。
 1998年は、何も知らないで初出場を喜んだフランス大会。2002年は自国開催で大いに盛り上がり地の利を活かしてベスト16になってしまった日韓大会。2006年は3度連続出場ということで成り上がり的な気分で、結果 その鼻を折られたドイツ大会。2010年は挑戦者としての初心に戻り無欲でベスト16に、そしてもう一歩でベスト8に手が届きそうになった南アフリカ大会。2014年は選手の海外所属チームのレベルが格段にアップしたことにより同じく選手の個人の能力もアップしていると思い、最低ベスト16、あわよくばベスト4まで行ける自信を自分たちに言い聞かせて、あとは気持ちを強く持てば行けると思ったけれど、実際試合をしてみるとその気持ちは空回りし、身体がついてこなかったブラジル大会。これらすべて人間なら誰しもがあり得ることであり、そうした経験が次なるものをつくっていくのである。
 戦い方も大会によって全く異なってくる。長期にわたる国内リーグでの戦い方、長期にわたりながらも個人勝負の海外リーグでの戦い方。そしてワールドカップにおいては、ホーム&アウェーの洗礼を受けるアジア予選の戦い方、本大会での、3試合×90分の総合評価で勝負するグループリーグでの戦い方、勝てば上に進めるベスト16をかけた決勝トーナメント1回戦の戦い方、負けたら終わりの準々決勝と準決勝の戦い方、勝っても負けてもこれが最後の決勝の戦い方。これら全てで戦っていくにはありとあらゆる経験が必要なのである。
 次は2018年ロシア大会…。
(アーティスト)
※紙面に掲載される画像はモノクロになります。




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