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Katsuhiko hibino in Iwaki 2001
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 菅野房雄さんはご機嫌に得意の歌を唄っていた。今年に入って3回目の炭焼き窯からの炭だしが終わり、みんなで一杯やったところである。「日比野も歌え」と言われたので、東京音頭を大声で歌った。房雄さんの窯は昨年出来たばかりである。
  場所は陸前高田の生出(おいで)地区。定年後に自分の家のすぐそばに地元の先輩から教わり炭焼きを始めた。私が房雄さんに塩害杉で炭を作れないかとお願いしたのは、半年ほど前。普通 、杉は炭にはしないという、「火持ちが悪いからね、杉は、、、」と最初は言われた。でも「やってみるか」と持ち前のチャレンジ精神で未知のことに取り組んでくれた。
  私が塩害杉を知ったのは建築家の伊東豊雄さんがきっかけであった。津波で浸かった杉の木が塩害で立ち枯れしてしまった。伊東さんたち建築の仲間は塩害杉で「みんなのいえ」という家を陸前高田に建てた。みんなのいえを通 して、陸前高田の役場の人とか、房雄さんと出会い、私は今年の2月に山に入り、塩害杉をチェンソーで切り倒し、丸太にして、薪割木で薪にして、窯入れをした。2週間ほどしてから、再び生出に行った。
   いよいよ窯から炭を出す。温度管理が肝心な炭焼きはうまくいったのだろうか。房雄さんは昨年は7回行ったから、ちょうど10回目の窯だしである。窯の入り口の土をスコップで砕き、鋳物の戸口を取り外す。中が見えた!
  薪を入り口までぎっしり隙間なく詰めていたのに、炭の量 は7割くらいになっている。いやもっとか。房雄さんに続いて中に入るときれーいに炭が積まれていた。寄り添うように奥の方にキューと炭たちが集まっていた。その姿を取り崩すのがなにか禁断の行為のような気がした。しばらく眺めていたいというか、フリーズ状態で固まっていると、房雄さんは当たり前のように、というか当たり前に炭を袋に詰め始める。炭を取り出す時に、炭が炭にあたると音がする。甲高い透き通 った音がする。
  「房雄さんできたね、どうですか出来は?何点?」と聞くと、「74点」と即答。30袋くらいの炭が出来上がる。つけていたマスクは真っ黒になっていた。この炭に火をつけて、灯りをともす時、手をかざして暖を取った時には、いろいろなことを想いだすんだろうな。
(アーティスト)
※紙面に掲載される画像はモノクロになります。




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