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アーレントの言葉

 9月にEテレ(NHK教育テレビ)で放送した、100分de名著「ハンナ・アーレント 全体主義の起原」を録画して見ていた。関心が高かったのだろう。書店に置かれたテキストは売れてしまい、取り寄せてもらった。
 ハンナ・アーレント(1906-1975)。ドイツ系ユダヤ人の政治哲学者で、1933年にナチスが政権を掌握すると、フランスを経由してアメリカに亡命した。そのなかで自身が常識だと思っていた「西欧の近代社会でユダヤ人は平等に扱われている」が覆る体験をし、51年に『全体主義の起原』を刊行した。
 全体主義とは、全体があるから個が存在するという論理によって国家利益を優先させる権力思想、国家体制を言い、歴史的にはドイツのナチズムやソ連のスターリン主義などが挙げられる。アーレントは全体主義がいかにして起こり、なぜ止められなかったのかを、歴史的考察によってつきとめようとした。
 12年後、アーレントは『エルサレムのアイヒマン』を出版した。ナチス親衛隊の中佐で、ユダヤ人虐殺計画を実務的に取りしきる立場にあったアイヒマンの裁判の傍聴記録で、生い立ちや人柄にまで迫って全体主義体制での道徳的人格の解体を考察し、条件が整えばだれでもアイヒマンになり得ることを伝えた。
 言いしれぬ不安を感じる社会のなかで、わかりやすい政治を求める大衆が全体主義をつくるのだという。そして1度、受け入れて納得してしまうと、その権威に合わせることが正しいと自動的に考え従ってしまう。それがユダヤ人の大量 虐殺をも生み出した。
 それを防ぐには自分で考え、他者と討議し続けること、とアーレントは言っている。相いれない意見にも聞く耳を持ち、どんな状況でも複数性に耐え、わかりやすさの罠にはまってはいけない、という。国政選挙の真っ最中のいま、アーレントの言葉を反芻したい。

 
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