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がんばれ耕英

 初夏から秋にかけて、年に最低1度は山に登る。吾妻だったり、燧ヶ岳だったり、月山だったり、その時々登る山は違う。花畑を歩き、緑のシャワーを浴び、紅葉の絨毯を見渡し、その日1日を山と過ごす。それが楽しい。
 6、7年前の夏は栗駒山に登った。前日に山の麓までたどり着き、周辺を散策して、くりこま荘に泊まった。その温泉宿の奥に、駒の湯温泉があった。散策途中、お土産の下見をしたのはハイルザーム栗駒。くりこま高原自然学校の途中には養魚場があった。
 宿でもらった栗駒山周辺地図を、岩手・宮城内陸地震後にあらためて広げてみた。駒の湯温泉もくりこま荘も、ハイルザーム栗駒、養魚場、くりこま高原自然学校も、被害のひどかった耕営地区内だった。

 くりこま荘に泊まった翌朝、宿でおにぎりを作ってもらい、いわかがみ平から中央コースを登った。石が敷かれた傾斜の緩い登山道で、きつさは感じなかった。山頂から鳥海山や舟形山が見えた。やや西に下りると、展望岩頭それに須川温泉辺りが眼下に広がった。
 帰りは東栗駒山に寄り道して、東栗駒コースを下りた。水量は少なかったが、川渡りがあり「道を間違ったんじゃないか」と、みんなでちょっと騒ぎになった。コースが初級・中級向きだったこともあって、栗駒山はやさしいイメージがある。

 大きく斜面が崩壊した東栗駒山、土石流に呑み込まれた駒の湯温泉、分断された周辺道路、土砂ダム…地震の爪痕は大きく、胸が痛む。築館中学校の生徒たちは支援活動で上空を飛ぶヘリコプターに感謝の気持ちを伝えるため、校庭に「ありがとう」と書いたというが、一帯の青空に「がんばれ」と大きく描きたい。
 
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(大越 章子)




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