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 東京競馬場にあるJRA競馬記念館に360度のスクリーンがある。そこでケンタッキーダービーのビデオを見たことがある。アメリカのコースはほとんどがダート(砂)。長くて深い芝が張りつめられているイギリスとはまったく趣が違う。そのビデオを見て「これがアメリカの競馬なんだな」と思った。トップでゴールインした馬に関係者が駆け寄り、真っ赤なバラのレイをかける。そしてみんなで大騒ぎする。
 「シービスケット」を見て、当時のときめきがよみがえってきた。1830年代のアメリカ。大恐慌に見舞われ、社会がすさんでいた。そんな時、まるで運命の糸が絡まるように出会った1頭の馬と3人の男たち。シービスケットは男たちによって才能を開花させ、ついにはその年代のスターホース・ウオーアドミラルをマッチレースで破ることになる。
 シービスケットと最初に会ったとき、調教師のスミスは、この馬になみなみならぬ 心の強さを感じる。そして言う。「馬は速さじゃない。心なんだ。初めて会ったとき、『何をじろじろ見てやがるんだよ』ってにらみかけてきた。これはいけるぞ、って思ったんだ」。それから3人はシービスケットを西海岸一の馬に育て上げ、東海岸で敵なしだったウオーアドミラルとのレースをひたすらめざすことになる。

 日本の競馬界に置き換えてみると、シービスケットはハイセイコーかオグリキャップだろうか。地方競馬から中央に殴り込みをかけ、いくつかの大レースを勝った。しかも、そのフィーバーぶりが実によく似ている。
 この映画がいいのはレースシーンのリアルさ。そしてドラマ性。故障したシービスケットと騎手のレッドがともに再起をめざし、最後のサンタアニタ・ハンデ戦で優勝するシーンはグッと来る。レッド役はスパイダーマンのトビー・マグガイア。減量 し、見事に騎手を演じきっており、ライバルのアイスマン役は実生活でも騎手のゲイリー・スティーブンス。こちらもなかなかいい。





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