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 2008年4月13日のピアノ開きから、10周年の2018年4月14日の演奏会まで、日数にすると3653日になる。10年一昔とも言われ、長い時間だけれど、過ぎてしまえばあっという間。小山さんは「いろんなことがあったけれど、一瞬に感じられる10年かしら」と、この10年を振り返る。
 2006年から始めた12年間のリサイタルシリーズ(Bunkamuraオーチャードホールをはじめ、全国六都市で春と秋の年2回、全24回開催)は、昨年の秋に終えた。「人生でできる限りの作品を演奏したい」と、弾きたい曲だけを自由に選んでプログラムをつくった。
 全部で123曲。その全曲を最初に発表し、この間、1曲も変えることはなかった。それぞれにテーマを設け、連想する色彩 もイメージして、シューマンとショパンを中心に、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」、ラフマニノフ、スクリャービンなどを多く演奏した。
 いつの間にか半年に1度、新しいプログラムに取り組むことが、小山さんのなかで自然のリズムになった。先のプログラムの準備と目の前のコンサート、いまと少し先が並行しているようだった。計画を練っている時間も含めると14年の月日になるが、やり遂げたという感じではなく人生の区切りのような感じ、と言う。「最初の音は最後に導かれる」との思いでやってきたから、あくまで区切りでしかないという。
 6月にはリサイタルシリーズのアンコール公演が控え、さらに今度は3年間のベートーヴェンシリーズも計画されている。
 昨秋はもうひとつ、大きな出来事があった。紫綬褒章を受章した。音楽はそれぞれに好みがあって、価値観や受け止め方も違うため「これでいい」ということのない世界。そこが魅力でもあるが、受章は励みになり「どこかで見ていてくださったうれしさ、そして感謝があります」と、にこやかに言う。

 2011年の東日本大震災は大きな衝撃を受けた。仙台で生まれ、3歳から中学2年生まで盛岡で過ごし、東北への思いは強い。震災後、被災地の小、中学校を訪ね、音楽を届けている。その数は30回を超えている。
 もうすぐ震災から丸7年。初めのころは切羽詰まった雰囲気だったが、そのあと少し放心したようになり、それから、言葉ではうまく表現できないが、ひとつの出来事として受け止めるようになったのを、ふれあいのなかで感じる。だからこそ、子どもであっても「ほんとうに大切なものはなんだろう」と考えている。
 震災から5年目は、陸前高田で迎えた。ちょうど黙祷の時間になり、先生がなにも言わなくても、サイレンとともに子どもたちは手を合わせ、祈りを捧げた。そうやって強くなっていくのだろう。
 音楽は人のこころに入って鼓舞し、寄り添い慰め、体も含めて気持ちよくし、人が持っている潜在的な力を導き出し、いい方向に向かわせる。そういう根本的な力がある。小山さんはこれからも、被災地に音楽を届け続ける。

 アリオスの10周年を記念して4月に、ピアノリサイタル「十年の時を刻んで」をアリオスで開く。開館の時は自ら選んだスタインウェイのピアノとホールのお披露目でもあり、華やかさを心がけた。10周年もお祝いの華やかさは必要だが、力強さや本格的な深さも詰め込む。
 オープニングの時に小山さんが選定した2台のピアノのどちらのスタインウェイを使うかはまだ決めていない。歳月とともにピアノも、ホールの響きも落ちつき、積み重ねた時間でしか出ない音の味わいがある。ホールに通 う人々の耳も経験とともに育ってきて「10年というのは重みがある」と話している。

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 開館10周年記念の小山実稚恵さんのピアノリサイタルは4月14日午後2時から、アリオス大ホールで開かれる。曲目はショパンの「華麗なる円舞曲」や「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」、シューベルトの即興曲、ベートーヴェンのソナタ第32番など。チケットは全席指定で3000円(学生は1000円)。柳家小三治落語会(4月7日開催)とのセット券(5000円)もある。予約・問い合わせはアリオスチケットセンター0246(22)5800。


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