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第351号

特集 2017 衆議院選
阿部幸洋さんのはなし

ストリートオルガン123
 

画・松本令子

おしりかじり虫


 前回(9月15日号)のこの欄で、17歳になったるんるんのことを書いた。その新聞の締め切り前日に、「るんるんが腰をぬ かしたみたいに歩けなくなってノ。こんなに急激に弱ってしまうものかしら」と、狼狽する母から電話があった。
 ダイエットして痩せたとはいえ、るんるんは15Lある。かかりつけの動物病院に、母が抱えて行くのは無理なので、夕方、仕事を抜け出して連れて行った。前日から様子がおかしく、その朝も散歩を中止したが、想像以上にるんるんは衰弱していた。
 車に自力でなかなか乗れず、ようやく乗っても座席に上がれなくて、フロアマットにうずくまったまま。なんとか待合室まで歩かせて順番を待った。熱があるのだろう。頭を撫でるといつもより体温を感じ「入院するかもしれないなぁ」と、おぼろげに思った。
 「るんるんちゃん」と名前を呼ばれ、診察室に入って母とふたりで状態を説明すると、先生はるんるんを診察台にのせ、バリカンでお尻の毛を刈り始めた。そのうちまっ赤に腫れ、クレーターのような窪みがふたつできたお尻が現れた。原因はおしりかじり虫。念入りな消毒と、抗生物質の注射をしてもらった。
 「10月になるまで、家のなかにおいてくださいね」と先生に言われ、るんるんの玄関入院の日々が始まった。緊張と精神的なショックも重なって、家に着いても車から降りようとせず、その間に、玄関に段ボールやバスタオルなどを敷いて入院空間を整えた。
 玄関ポールには「なかに犬がいます。御用の方はチャイムを鳴らしてください」と、貼り紙をした。

 翌日、「るんるん、大丈夫?」と、看護師をしている近所のお姉さんが、お尻の手当ての方法を教えてくれ、時々、様子を見に来てくれた。ほかにも心配して、るんるんの大好きな人たちが次々訪れ「大変だったね。早く治すのよ」と、励ましてくれた。食べる量 は少しずつ増え、退屈でいたずらも始め、短い距離だけれど散歩に行き、数日後にはずいぶん元気になった。
 ただ気になるのは、皮膚が見えるお尻だった。赤い腫れが引いて、クレーターはかさぶたになったが、とても痛々しい。散歩の時だけでも隠せたらと思い、裁縫の得意な叔母にスカートを作ってもらった。ディック・ブルーナのミッフィー柄の、ぐるんと紐で巻きつけるスカート。るんるんも気に入ったようで、嫌がらずにはいて散歩に出かけたが、歩いているうちにずれてしまった。
 叔母に相談すると「それならジャンパースカートにすればいい」と、ミッフィー柄のスカートに胸当て(るんるんの場合は背当て)をつけた、かわいいジャンパースカートに直してくれた。はくのに前より少し時間はかかるが、これなら途中で足を止めて着崩れを直さなくても済む。
 「あら、かわいいのを着ているのね」と、散歩をしていて見知らぬ 人に声をかけられる。顔見知りには「前はエリザベスをつけていたけれど、今度はスカートか。るんるんも忙しいなぁ」と笑われる。エリザベスの時のように、当分はスカートを離せないだろう。

 2週間ほどの玄関入院を終え、るんるんは月桂樹の下の犬小屋に戻った。食いしん坊が復活して、食欲はもりもり。サプリメントのおかげでぴょんぴょん跳びはね、相変わらずおてんばをしている。あとは、お尻の毛が元通 りになるのを願うばかり。これから秋が深まっていくなか、毛糸のパンツがほしくなるかもしれない。

 
 



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