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 福島労災病院の旧館の3階に一昨年12月、「緩和ケア病棟」がつくられた。ホスピスではない。抗がん剤の副作用などの痛みや苦しみが緩和されれば退院して家庭生活に戻り、社会復帰をする。郡山市の坪井病院に次いで県内で2番目、いわきでは初めてという。
 労災病院は平成15年に地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、診断した段階から患者の総合的なサポートを考えている。緩和ケアもその一つで、医師不足で空いた病棟を改修し、手術や化学療法、放射線などの積極的な治療はせずに患者を支える。
 ベッドは27床。病室は一般の2倍の広さで、家族と過ごせるように病棟に1つキッチンがあって、一緒に食事もできる。面 会は24時間いつでも可能で、みんなと団らんする部屋や家族の宿泊部屋があり、家族はお風呂にも入れる。
 いまのところ病棟の専従医師はいない。主治医がそのまま診療し、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、臨床心理士、理学療法士など患者にかかわる医療スタッフと密に話し合って、細やかなケアを心がけ、自宅のような雰囲気で過ごせるようにしている。
 病棟はさり気なく季節感のある飾りつけがされ、月に1度は音楽会などの催しも開いている。給食の器も瀬戸物を使い、誕生日にはお祝いの膳が出る。
 緩和ケア病棟に入院するには、いくつか法律上の条件がある。まず告知を受けていること。それに自分の病状を理解し、治療はあくまで痛みなどの緩和のためで、抗がん剤などの積極的な治療はしないことを納得していること。
 利用は労災病院で治療を受けてきた患者が中心だが、このところ病棟の存在が知られてきて院外からの紹介もある。その場合、労災病院の相談支援センターを窓口に、外来の受診や化学療法の治療などして、病棟に入院している。
 この1年(一昨年12月から昨年11月30日まで)に利用した患者は述べ270人ほど。当初は患者の8、9割を看取っていた。しかし最近は、4人に1人が家庭に戻ったり、療養型の病院に移ったりしている。利用もほぼ満床に近い。
 患者のなかには緩和ケア病棟に移るのを嫌がる人もいて、その辺は臨機応変に、そのまま一般 病棟での入院を続ける。
 緩和ケア病棟の計画からかかわり、いまも病棟のマネージメントをしている副院長で、外科主任部長の武藤淳さん(54)によると、課題は専従の医師がいないことという。そのため、医師によって緩和治療にばらつきがある。ただ患者や家族にアンケートをとると、緩和ケア病棟でも引き続き主治医に診てほしいと思っている人は八割にもなっている。
 緩和ケアでは患者と医師、医療スタッフという関係より、人間同士のかかわりが大きく、会話が大切になる。「忙しさのなかで患者にかかわる時間が少なく、ゆっくり話ができる時間を増やしたい。それにニーズがあった時のケアがタイムリーにできたら」と武藤さんは言う。
 日本人の3人に1人ががんを患う時代。治療のスタートが遅れたり、手術や放射線治療、化学療法などすべての手立ての後にどうするか。それは他人事ではない。また核家族化が進み、在宅医療も難しい。現に緩和ケア病棟に入院していても、あまり面 会に来ない家族がいる。
 「いわきにホスピスがほしい」という市民の声を聞く。しかし、いわきの医療はまだそこまで至っていない。



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